コレまたりさたろうさんに頂きました。テイルズオールキャラによる、コメディです。 シリアスなお話とギャグなお話両方書ける何でうらやましいです。 そして、クリスマス、新春と素敵な小説をありがとうございました。 新春特別(?)企画 |
1. むか〜しむかしのことです。 師走も押し迫ったある日、神様はとっっても退屈しておりました。 「ふ〜暇じゃのう・・・」(神様:クレメンテ) あんまりにも暇だったので、ついつい自分の体が剣であることも忘れ、体を振り回してみたり、リビングソードの真似をして「かえんぎり」をしてみたり・・・とまぁ周りに人が近寄れないようなことをしておりました。 そんなことをする生活が3日目を迎えた頃、神様はふとあることを思いつきました。 「そうじゃ!動物たちを年ごとの監督にしてみようかの。面白そうじゃ。」 などと勝手なことを考え、周りの者たちの意見に耳を傾けることなく突っ走り、勝手にお触れを出してしまいました。 〜お触れ〜 12匹の動物たちに年毎の監督を任せる事にした! 我こそは!と思う者は、元旦の朝、ワシのところに来る事! ごちそうを用意して待っておるぞ。 以上!! こんなお触れを出してしまい、神様の周りはとっても困りました。 「なんっってことしたんですか!?ただでさえ財政難だというのに!!」(神様の使いA:アトワイト) 「・・・ボケるのにはまだ早いのでは・・・?」(神様の使いB:ディムロス) 「仕方ないじゃろう。もう出してしまったものは訂正できん。」 神様は自分の財布の紐を握っているアトワイトのご機嫌をとりつつ、失礼な発言をしたディムロスにブラックホールをぶっかましました。 「・・・まぁ・・・神様がそこまで仰るのなら・・・」 「すまんのう。アトワイトにはいつも迷惑をかけるのう・・・」 「いえいえ・・・慣れていますから。」 「では早速じゃが・・・」 ・・・と、着々と準備は進んでいきます。 ブラックホールの直撃を受けて、瀕死のディムロスを残して。 2. 翌日。 お触れの書かれた立て札を見ながら、動物たちは大騒ぎをしておりました。 「年毎の監督?」(犬:リオン) 「うまいもんが食べられんのか?」(馬:リッド) 「ごちそうっていえばお金がかかる・・・お金がかかるってことは・・・」(猿:ルーティ) 「ふわぁ・・・眠い・・・」(ネズミ:スタン) 「定員12人まででしょ?イケるイケる!!」(イノシシ:ファラ) 「12人までに入れるでしょうか・・・?」(ウサギ:ミント) 「だ・・・大丈夫!僕がついてるから・・・!!」(虎:クレス) ごちそうを想像して涎を垂らす者、算盤を出してごちそうにいくらかかっているかを計算し始める者、周りのことを全く気にせずに2人の世界をつくる者、ただひたすら楽観的な者や起きているか寝ているかわからない者・・・など、大勢の動物が立て札の周りに集まっていました。 そんな集団の中に、真剣に立て札を眺める1匹のカエルがおりました。 「カエルも・・・十二支にいれていただけるのでしょうか・・・?」(カエル:すず) 並々ならぬオーラを漂わせているこのカエル、実は「伊賀栗の里」出身の忍者だったりします。 そして常日頃からこう思っておりました。 忍者ももう少し自己主張すべきだ、と・・・ この考え方が、伊賀栗の里の今時の女の子達による刷り込みだということは言うまでもありません。 じっと立て札に見入っていたカエルでしたが、ふいにくるりと背を向けてその場を立ち去りました。 ・・・なぜなら・・・ 「体力を温存するために、出発まで寝ます。」 ・・・なっ、ナレーターが言おうとしていたことを・・・何故・・・? 「私、忍者ですから。」 あ・・・そうですか・・・(冷や汗) ・・・ま、まぁそういうわけで、カエルは十二支に入ることを誓い、出発のその日まで寝貯めすることにしました。 カエルが去ったその後に立て札の前にやってきたのは1匹のタヌキでした。 「・・・じゅうにし?・・・って何?」(タヌキ:アーチェ) どうやら十二支の意味がわかっていない様子。ですが、先着12人までにはごちそうが振舞われることだけを理解し、タヌキは思わずにんまりしました。 どうやらこのタヌキ、「ごちそう」という言葉に滅法弱いみたいです。 「ごちそうかぁ・・・何が出るんだろう?」 幸せそうにまだ見ぬごちそうを思い描き、1人ほくそ笑むタヌキ。 ふと周りを見て、タヌキは気づきました。 「あれ?キツネ来てないんだ。」 タヌキの家のお隣さんであるキツネは毎日のバイトで忙しく、この手の情報に疎いのです。 日頃からキツネのことが気になって仕方がないタヌキは、キツネの為に「十二支」のことを教えてあげることにしました。 「しょーがないでしょ!だってアイツ、この手の情報に疎いんだから!あたしは親切で教えてあげるのよっ!!」 説明的セリフを叫びつつ、タヌキはキツネの家に向かいます。 若いっていいねぇ・・・ 「あれ?タヌキじゃねぇか。どうしたんだ?」(キツネ:チェスター) 自分の家の前でウロウロしているタヌキを見つけたキツネ。 不思議そうにタヌキに近づいて訊ねました。 「あ・・・っ!あのさぁ・・・!さっき聞いたんだけどね、十二支っていうパーティがあるんだって!それでさ!定員12名まででごちそう食べ放題なんだって!・・・よかったら・・・行かない?」 顔を真っ赤にしつつ、要件を伝えるタヌキ。とてもかわいらしいですね。 「あ、ああ・・・オレは別にかまわねぇけど・・・それ、いつなんだ?」 「あ・・・!え、えと・・・そう!ガンタンって日だって!」 「元旦?」 「う、うん!月曜日だから!」 「ふ〜ん・・・ま、ありがとな。」 「じゃ、じゃあっ!あたしはこれで!!」 返事を聞くや否や、タヌキは猛ダッシュでその場を立ち去りました。 後に残されたのは、怪訝そうな顔のキツネだけ。 「・・・一体何だっていうんだ・・・?」 3. ─そして、12月31日深夜─ 仲良く歩く虎とウサギ、それと反するかのように険悪なムードのサルと犬。 そして、場をなごませようとわけのわからない音楽を口ずさむ鳥。(鳥:ジョニー) 急ぐものの、慌てて自分の体を絡めてしまったヘビ(ヘビ:キール)と絡まったヘビをほどこうと手助けするヒツジ(ヒツジ:メルディ)・・・など、大勢の動物たちが一斉に神様の家に向かって歩き始めました。 彼らの先頭を行くのは「オレ様が1番よ!!」(牛:コングマン)・・・と我が物顔で歩く牛。 ごちそうが食べたいのか、はたまた「1番」が好きなのか、その両方なのか・・・とにかく牛は誰よりも早く、神様の元へ急ぎました。 川を渡り、デコボコ道を通り・・・もとい、急ぐ余り道をデコボコにしながら、牛はひたすら歩きます。 そして、ちょうど森の中を通りかかったときでした。 「ふわ〜〜あ・・・ねむ・・・」 木の上で眠りこけていたネズミ、寝ぼけたまま下へまっ逆さま。 ・・・その木の下にいたのは・・・? 「オレ様が1番よ!!」・・・とのしのし歩く牛。 そう。ネズミは木の上からダイビングし、牛の頭に見事に着地したのです。 「ありゃ?気持ちいいなぁ・・・まぁいっかぁ・・・眠いし・・・」 自分がどこにいるのかが全くわからず、それでも眠りこけるネズミ。・・・強者です。 ネズミを頭の上に乗せていることなど全く知らない牛は、そのままひたすら突っ走り続けました。 一方、後続の者たちはというと・・・? 「ちょっと!あたしの算盤に触れないでよっ!!」 「そんなものをぶらさげているほうが悪いんだ。触れてほしくないなら、しまっておくのが普通だろう?」 「なんですってぇ!?」 「僕は本当のことを言っただけだ!」 ちょっとしたことをきっかけとして、サルと犬がケンカをしておりました。 「お2人とも(サルと犬)仲が良いのですね・・・」 「そ、そうだね・・・でも僕達も・・・」 「・・・虎さん・・・」 「う、ウサギ・・・!!」 「ぶえっくしょい!!」 「うわ!」 「きゃっ!!」 「・・・あぁごめんね。」 何時いかなる時も2人の世界を作り上げる虎とウサギに対し、嫌がらせの如く辰(辰:クラース)が2人の間に割って入っておりました。 辰のこういうところが「中年」と呼ばれる所以なのでしょうか? 「・・・余計なお世話だ・・・」 さてさて、神様の家への道のりがあとわずかとなってきました。 そろそろ上位12名の順位が決まりつつあります。 先頭を突っ走る牛、ウサギを守りつつ歩く虎、それに従うウサギ、2人をさかんにからかう辰、踏んづけられないようにジタバタと慌てて走り、自分の体を絡めるヘビ・・・その後ろをごちそうを想像し、涎を垂らしながら歩く馬。 ・・・以下ヒツジ、サル、鳥、犬、イノシシが続きます。 さてさて、一体誰が1番に神様の家に着くことができるのでしょうか? 4. 動物たちが歩き始めて数時間がたった頃です。 東の空が明るくなり始め、山々の間から眩しく輝くお日さまが顔を出しました。 新しい年の幕開けです。 ですが、動物たちは日の出を悠長に拝んでいる余裕はありません。 ひたすら、ひたすら神様の家を目指します。 一方、神様の家の前では神様と、神様の使いAと傷だらけの神様の使いBが動物たちの到着を待っていました。 しばらくすると・・・? はるか彼方から、日の出を背負った誰かがこちらへ猛突進してきました。 「オレさまが1番よぉぉぉぉ!!」 そう。今更言わなくてもいいけど、牛が1番でした。 やはり「1番」にかける執念は動物たちの中でもダントツだったようです。 土ぼこりをあげ、道をめちゃくちゃにしながら神様の家へ向かって猛ダッシュしてくる牛。 あと10メートルでゴールである神様の家です。 「オレさまが1番!」 あと5メートル。 「オレさまが1番!」 あと2メートル 「オレさまが1番よぉぉぉぉぉ!!」 ・・・と、その時でした。 牛は見事にゴール前ですっころんでしまったのです。 今までフルスピードで走ってきたためか、牛の足はかなりダメージを受けていました。 例えて言うなら、「膝が笑っている」・・・いや、「膝が大爆笑している」状態だったのです。 そして、ゴール直前での猛ダッシュによって、牛の足は限界を超えていました。 それでも他の動物たちをぶっちぎっているので、ここで多少のハンデがつこうとも、自分の勝ちは間違いない、と思い、牛は高らかに勝利宣言をしようと顔をあげました。 「だが!!ここでこけてもオレさまがイチ・・・!!」 勝利宣言を言い終わらないうちに、一瞬で顔面蒼白となった牛。 そう。牛は見てしまったのです。 ゴール地点にネズミが寝転がっているのを─ 5. 「おお。ネズミが1番じゃな。」 「そのようですね。」 「そうですね。」 「ちょっと待て!さっきまでオレさまが・・・!!」 「おまえさんがすっころんだのと同時に、おまえさんの頭からこやつが放り出されたんじゃよ。」 「そしてゴールした。と・・・」 神様と神様の使いたちは淡々と牛に状況を説明します。 この話を読んでいたみなさんはご存知でしょう。 第3章の冒頭、森での出来事のことを。 ネズミは牛の頭に落下してからずっと、ゴール前で牛の頭の上から放り出されるまでずっと居眠りをしていたのです。 「・・・へ?あれ?」 放り出された時に地面に激突した痛みで、ようやくネズミは目を覚ましました。 「おめでとう。おまえさんが1年目の動物じゃ。」 「・・・へ?」 「良かったな。ネズミ。」 「・・・へ?」 「おめでとう。ネズミさん。」 「へ・・・?」 寝起きのためなのか、ネズミはぼんやりと自分を取り囲む面子(めんつ)を眺めていました。 「うらぁ!!」 「うわ!!」 突然の頭上からの攻撃に、慌てて避難するネズミ。 驚いたネズミが見たものは、怒りに狂う牛でした。 「ネズミーー!!おまえのせいでオレさまは・・・!!」 「へ?なにが?え?」 「ぶっ倒す!!!」 牛は怒りのあまり、ネズミにグレイトアッパーをぶっかましました。 「うわぁ!」 「逃げるなぁぁぁぁ!!」 追いかける牛と、逃げ惑うネズミ。 他の動物たちがゴールした後も、牛とネズミの追いかけっこは延々と続いたのでした。 6. 一方、キツネとタヌキはというと─? 「あ、あのさぁ・・・」 「ん?なんだ?はやく出発しないと・・・」 「日付、間違えちゃった。」 「・・・は?」 「だからさぁ・・・あんたに教えた曜日、去年のだったの。」 「・・・はぁ?」 「えとね・・・今年の元旦は火曜日だったの・・・」 「おまえ!オレに嘘教えたのかよ!?」 「し、仕方ないじゃん!あたしも間違えたんだしっ!!それにね、ちゃんと自分で確認しないあんたも悪いじゃない!!」 「んだとぉ!?」 「なによぉ!!」 「オレは金輪際ぜっっっったいにお前の言葉を信用しねぇからな!!」 「なによ!あたしだってこれからはぜっっったいにあんたに本当のことを教えてあげないんだから!!」 売り言葉に買い言葉。 キツネとタヌキは元旦早々大喧嘩をしてしまいました。 それからというものの、キツネとタヌキは出会うたびに化かしあいをして、お互い本当のことを言わなくなったそうです。 キツネとタヌキの仲が悪くなったのは、これ以後だという話だとか。 おしまい。 ・ ・ ・ 〜おまけ〜 「むにゃ・・・忍法・・・はっ!!」 ガバッ!と布団を蹴飛ばして起きたカエル。 時計を見ると・・・ 4月1日 AM6:00 「・・・寝過ごしてしまいました・・・」 あまりの寒さにカエルは元旦に起きることができなかったのです。 これ以後、カエルは冬になると大人しく冬眠をするようになったそうな。 今度こそ本当におしまい。 |
<なくてもいいあとがき> どうも・・・りさたろうです。 全く・・・何書いてんだってカンジですね。(呆) 飽和状態の頭で書いているんで(いつも飽和状態だったりするけどι)わけわかりません。 おまけあまりに読み返してませんし。(推敲、という言葉を知らないらしい) 正月早々おバカネタ・・・全くもってアホです。 とりあえずテイルズシリーズオールキャスト・・・を目指していたんですがね〜・・・ 無理でした。だってテイルズキャラ多すぎるし(オイ) それでは最後になりましたが、読んでいただきありがとうございました〜(脱力) BACK |